本日発売の週刊少年ジャンプ51号掲載の
役者まんが
『アクタージュ』ですが
今週のお話、めちゃくちゃ、良かったです。
役者を目指す、夜凪景の成長の物語なのですが
あらすじは
大手芸能事務所スターズが主催する俳優オーディション。未来のスターを目指す3万人の応募者の中に、異彩を放つ少女が1人──天才女優夜凪景と鬼才監督の出会いから始まる、1本の映画を巡るアクターストーリーが開幕。
こんな感じです。
未読の方には伝わらないので、読み飛ばして下さい。
既読読者前提の、すっ飛ばした目線で記します(めんどくさいので。こら)。
そもそも、友情努力勝利のバトルまんが大好きジャンプにあって、役者ものという過去無かった(と思われる)席を作り、そこに座ろうとしているところが、凄いです(作・画の2人がとても若いところも応援したいです)。
そして友情努力勝利をちゃんと踏んでいます。
さて中身です。
役者として腕を磨くため、劇団天球(作中凄く有名)の舞台に立つ、主人公、夜凪。
芝居演目は、銀河鉄道の夜。
まず、お話作りが上手いです。
分かりやすい皆んなの知っている(何となくは)銀河鉄道の夜を使っていること。
その話(生と死、本当の幸せとは何か)になぞって芝居と、合わせて作中の人間関係のドラマを交錯させていること。
つまり、劇団員たちが長く慕ってきた、劇団の大黒柱、演出家巌が死に逝くなか、舞台当日を迎えて、
銀河鉄道よろしく死を受け入れ、受け止めて、先に行くということ。
その舞台を創り上げ、公演を行う中で、巌も劇団員達も、巌の死を越えて、それぞれ本当の幸せを見付けるストーリー(に、今向かっている)。
画で、生者と死者の交流を上手く表現出来ていること(絵が素敵)。
この舞台を踏むことで、夜凪は、役者として、映画役者とはまた違う、舞台役者としての一級の力を身に付けることになる(に向かってる)。
夜凪だけにスポットを当てると、究極の演技に特化して、一般を置いてけぼりになりがちなのと、話数も短くなってしまうところで、劇団員の面々と、映画出演の章にて共演した、凡人役者、星アキラにもスポットを当てた成長ドラマを入れています。
で、ここ数回、アキラに脇役から主役スポットが当たっています。
ジャニーズのトップアイドルの位置付けのアキラ。
彼の不幸はー
親は元一流役者の星アリサ。
顔は整っていて人気は絶頂。
しかし、役者としての才能は凡庸。
努力しても、努力しても、努力しても、
越えられない超一流の役者(夜凪)を前に。
親の七光りと言われ続けたアキラが、
才能が無いことも自覚し、
実力以上の評価を受けていることも自覚し、
元一流役者の実母に憧れて役者を目指たことも自覚し。
そんなアキラの感じる本当の不幸は、
そんな親を持つことでも、
役者の道には進むなと、親の願う道を選ばないことでもなく、
「ここ」いる自分を後悔していないこと。
持つ者と持たざる者の壁を前に、
それでも努力を続けたアキラは舞台に立つー
こんな引きで終わります。
全てが凡庸の自分にとって
感情移入しやすく、きっと、共感を生んでいると思うのです。
夜凪の成長の話とは違う人気の出方をするハズです。
クリリンの努力的な。
唯一、惜しむらくは、
アキラのキャラの深掘り
(常にゴリゴリにモテていて、スーパーアイドルっぷりや、その状況の虚無感)を、
以前から、もう少し意図的に印象付けれていたら、
もっともっと、今回が際立ったと思います。
未読の方には、伝わらないと思うのですが
面白いんです。
まぁ、クリリンの努力とか言っても、
伝わらないですよね。
ということで、
読んでみてください。
このまんが、実写ドラマ化して欲しいなぁと思います。
キャスト、超重要ですが。
アクタージュ前身。阿佐ヶ谷芸術高校映像科へようこそ。